9月定例会終わる

「今日」9月定例会が終わった。
実は、今定例会の会期は10月「3日」までだったが、議会が空転、日付をまたぐことが確実になり、翌4日まで会期延長することになったのだ。

それもこれも、例の「バーベキュー」が原因だ。
定例会最終日、市長は自身の月給10分の3減額する条例を提出、この審議で議会が空転し決着は深夜までもつれこんだ。
「条例など出さず、黙って減額すればよいではないか」
との声も聞くが、それは「寄付行為」にあたり、公職選挙法が禁じている。
例えば、潤沢に資金を持っている市長がおり、自身の人気取りのために選挙区内の団体に寄付をバラまく(「団体」には当然「市役所」も含まれる)としたら?
と考えれば分かりやすいだろうか。

ということで、市が議案を提出、説明が終わり、質疑を行う前の休憩に入ったのが午後3時。それから延々と調整が続き、再開したのは午後10時。実に、7時間も議会が停止したのだ。
こうなると、待ちくたびれた、なんて心境ではなく、私は完全に頭に血が上った(修行が足りない、と我ながら情けないが)。
ようやく質疑が始まり、討論・採決をおこない閉会したのが午前2時という有様だった。

議会の仕組みとして、市側が議案を提出したのち直ちに質疑に入るのではなく、いったん議会を止めて議員側の質問と市側の答弁をすり合わせる決まりになっている。
これは、議員は的を射た質問をするために、市側は的確な答弁をするために、お互いに必要な措置だと思うが、それにしても7時間も議会が止まることは異常だ。

この件について、私は市側の説明に納得していないことは前にも述べた。だが、一度説明したものを、
議会でいくら質しても「これまでの説明は、事実ではありませんでした」などと翻す訳がない
ことは100条委での市側の有様を見れば明らかだ。
だが幸いにも?この件に関しては市民から告発され警察も受け取っている。
私としては、もはやそっから先は警察の仕事、と割り切ることにした。

で、この件は
1.市の防火体制及び関連する法規
  その責任の所在
2.BBQの参加者など、事実確認
  その責任の所在
3.火災報知器の取り外しの依頼・命令系統
  その責任の所在

それら、起こしたことに対する処分の根拠及び妥当性
などの点が問われるだろう。あとは
発覚後の市長及び当事者の対応
といった点だろうか。

事実は明白、参加者・責任者も限定された中での質問で、範囲はそれほど広くない。
答弁側は、どのような質問が出るのか、十分想定できたはずであり、ここまでもつれる話ではないだろう。
それより何より、給与減額議案を出す、と決めてから今まで十二分に時間はあった。

実際、ふたを開けてみたら、質問数こそ多かったものの事実に基づいて質疑がなされ、粛々と審議は進んでいった。
なぜ7時間も質疑・答弁調整が必要だったのか、サッパリ理解できない。
市側が議会に提案・理解を求めてきている以上、議員の質問の趣旨をとらえ的確に答える責任があるのは間違いないが、議員側も市側に質問の要点をちゃんと伝えていたのだろうか?という気にもなる。
ともあれ、調整の場で何が起きていたのか知る由もないがハッキリ言って付き合いきれない、は私だけの感想ではないはずだ。
議会審議のあり方も、今一度検討する必要があろう。

では昨日の質疑は無意味だったのか?といえば、そんな事はもちろんない。
議員の質問により、市側の認識は分かったし、BBQの参加者に教育長や消防長までいたこと、など、新たな事実も判明した。それにしても、市幹部の付和雷同ぶりには言葉を失う。
という訳で、
藤沢市政の現状を示す、またとない「事件?」であるのは確かであり、議員側がしつこく食らい付くのも無理はない、だろう。

で、私はというと、この議案に関しては一切質疑せず、採決は「棄権」した。
なぜ質疑もせず、採決にも参加しなかったのか、一言で説明するのは難しい。まあ、難しいから退席したのだが。
いくつか理由があるが、丸めて言えば
前提として
「事の顛末の説明について、市側の説明には納得していない
ものの、あくまでも議案自体は責任をとっての市長給与減額、なのだ。これについては私には対案もないし
「ここで一旦『市長の』自主的判断を尊重する」
という立場をとる。あとは、
「警察の捜査結果を待ち、あらためて結論を出しても遅くはない」
「それまでは判断を留保する
と言う結論、だろうか。

与野党拮抗、という今の議会構成を考えると可否は微妙だったが、我が会派では反対が大勢という中で、私と高橋団長だけが退席した。
このことは「可決に手を貸した」格好になり、事実上は「賛成」と同じだ、といわれても仕方ない。
市長に異を唱える立場からは「柳田は裏切った」と映るかもしれない。

ただし。
これまで再三述べているように、私は海老根市長及び市幹部(及び議会与党)とは市内分権、民間移行、市庁舎等再整備、地域経営会議などなど重要案件でことごとく意見があわず、この間ずっと厳しく対立してきた。
また、市長の姿勢に対して「(市民の代表たる)議会を舐めるな」と何度思ったか分からない。だが、その一方では
海老根市長は市民から直接選挙で選ばれた存在で市民の代表、かつ市の最高権威である以上は反対派とはいえ「敬意を持って」「対峙する」べきとも思っている。
議会「こそ」が市民を代表していると思っているとすれば、その意気や良し、だが思い上がりであろう。
あくまでも、「二元代表制」「チェック&バランス」の関係だ。

この件ついては、市長は再三頭を下げており、反省及び再発防止を誓い、証として給与減額を打ち出した。
確かにそもそも屋内でBBQをするなど非常識だ。身内に甘い処分だという批判も分かる。
が、警察も告発を受け付けた訳だし、当面は推移を見守るという姿勢を選んだ。
市長を庇うつもりはないしその義理もない。だが、これだけ騒がれて恥をかき、今や平謝りだ。
信頼失墜については座視できないが、とはいえ実際の被害が出た訳ではないのも事実で、事件性があるとは私には思えない。
これ以上は「水に落ちた犬を打つことになり、性に合わない。

みたいな事を妻に話したら、
「アナタは、自分が何かをヤラかした時にも許してもらいたいから、そんな甘い事を言うのでは?」
 「ってなっちゃうよ」と言われてしまった、のには閉口した…。
「物言えば唇寒し秋の風」

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