情報漏洩

2月定例会は代表質問が終わり、予算委員会が始まっている。
今日も朝から夜9時まで、真剣な議論がなされた。予算委員会は連日長時間の審査が続いており、竹村予算委員長以下委員各位の奮闘に心から敬意を表するところだ。
私は、といえば、100条委の最終報告書の「原案作成作業チーム」という大任がある、ということで予算審議は勘弁してもらい、専らそちらに集中させて貰っている。
で、その「最終報告書原案」が新聞社の手に渡り、内容の一部が昨日の新聞に載ってしまった。

この報告書原案は、当然ながら私たち作業チームが提示したあくまでも「案」であり、中間報告書でかなり突っ込んだところまで書いているとはいえ、最終報告書は半年以上に及んだ「100条委の集大成」となるものだ。
それだけに、委員各位の思い入れは強い。委員と各会派が案を隅々まで読み、その上で修正意見を出してくる。
なので本会議での議決まで最終報告書の公表は控える、と取り決めていた。
しかし、それがどうした訳か流出し新聞に掲載。委員会関係者からは
「約束違反だ」
との声が上がり、報告書原案流出の経緯を調べることになった。

私は、新聞記者の取材には可能な限り応えてきたつもりだ。
我が100条委は、委員各位が真相究明に真摯に取り組み調査委員会として正しく機能していると自負しており、こちらの動きを正確に(好意的にも)報道して欲しいと思っているので新聞各社には協力したい、というのが私の立場である。
しかし、委員会で「報告書『原案』の外部への公表は控える」ことを申し合わせた以上、新聞記者氏に渡すわけにはいかない。
別に隠すわけでもなんでもない。しかし、「原案」と私は言っているが、「素案」あるいは「叩き台」といってもよい。委員会議決前で要修正であり、まだ外部に披露できる代物ではないのだ。
この段階で表に出るのは不本意だし想定外だった。残念というしかないが、ここで「原案作成」から「最終報告書が全議員で共有される」までの流れを見てみよう。

2月21日
100条委開催。海老根市長らの証人尋問(これで証人尋問は終了)

3月1日
100条委開催。善行6丁目の現地視察
(2月21日と3月1日の審査終了を受け、私たち作業チームが最終報告書原案作成に入る)

3月12日
弁護士相談
→原案、といっても、いい加減なものでは委員が納得しない。弁護士先生の「お墨付き」が必要

3月13日
午前中の100条委員会前の打ち合わせで原案を提示。午後、委員会開催。鑑定士の意見聴取後、正式に原案を提示。
それを受けて各委員・各会派から意見聴取(19日の弁護士相談前が〆切り)

3月19日
弁護士相談
→各委員と弁護士の指摘事項を踏まえ、23日の委員会議決までに原案に加筆修正

3月20日
原案が流出、新聞掲載(20~22日は詰めの修正作業の最中)

3月23日
100条委に報告書「案」を提出、議決→100条委の意思決定(ここで報告書がコンクリートされる)

3月28日
本会議最終日に議決→藤沢市議会の意思決定

という経過となる。
13日に原案を示し、最終的な議決となる28日まで、結構間があるように見える。
しかし、本会議・予算委員会の合間に委員各位・各会派に原案を見て貰い修正意見を募り、それらを踏まえて加筆修正し、弁護士に報告書の不備や告発の可否について見解を示してもらい、また加筆修正し、23日に委員会で議決、となるわけだ。
議会による告発という重大事を左右する報告書である。時間がかかる・かけて当然だろう。
そうした過程を経て、事実上23日で報告書は固まる。

この日程では、委員会議決から28日の本会議まで4~5日ほど間がある。
正式決定となる本会議まで公表しないと言っても、100条委に注目してきた市民としては、23日に委員会議決されたら直ちに報告書の中身を知りたいと思うかもしれない。ので、私は委員会の議決も本会議直近が良いのでは、と思っていた。
だが一方で、何があるかわからない。もし何か起きた場合、それに対処する時間が欲しいのも事実だ。
ということで、23日委員会議決→28日に本会議で議決、というゆとりを持ったスケジュールを組んだわけだ。

こうしてみると、23日から28日の間に報告書案が表に出てしまうのならば「仕方ないかな」という気もしなくはないが、昨日の段階で、まだ固まっていない原案が流出、またそれを新聞記事にする意味が私には分からない。
まあ、記者氏はニュース性があると考えたのだろう。たしかに一紙の素っ破抜き、ではあった。

こういう事が起きるなら、23日の委員会終了後に報告書案を発表してしまうか、27日それこそ28日に委員会を開いて間髪入れずに本会議に上程するか。
日程の見直しが必要かも知れない。
こういう本質的でない所でも気を遣わなければならないのか、と愚痴も出るが、これも議会なのだろう。

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