市長、出馬表明できず

このところ藤沢市政の問題が新聞紙上を賑わせている。

善行の土地問題、BBQ問題、江ノ島水族館跡地問題。
そして、今日は市長の後援会の金銭疑惑、である。

BBQに関しては、単なる意識の欠如、で済むかもしれないが、二つの土地問題は金が絡む。
水族館跡地については、結局のところ市が買わないことになったので、あるいは沈静化するかもしれないが、今後どうなるだろうか。
善行土地問題に関しては、まもなく100条委としての一定の結論が公表される。これは、沈静化、というよりも一段落、というだけで、追求が終わったわけではない。
これに対して、今回の後援会の金銭疑惑は、市長が違法な金を受け取った疑いがある、というから深刻だ。
事件の流れを見てみよう。
4年前の市長選挙の際、静岡市在住の「元」支援者から

1.250万円の資金提供があり、後援会の二人が受け取り、海老根氏に報告した。
2.このうち、100万円を選挙費用に充て、残りの150万円を海老根氏に渡した

と、二人は主張しているが、これを海老根市長は
「自分は資金提供があったことは知らなかったし、金は受け取っていない」
と真っ向から否定。
この事は、市長と、この二人(あるいは直接市長に渡した、という一人)しか知らないのだ。
どちらかが、間違っている、あるいは嘘をいっていることになるのか?
(みんな間違っていて、この他の第三者が金を持っている、可能性もゼロではないが)
市長がもらっていない、のならば、この150万円はどこに?
海老根氏へ渡してくれ、と言われて受け取ったのに市長が受け取っていないのならば、二人(あるいはそのうちの一人)が着服した、ことになってしまうだろう(くどいが、第三者の存在も否定は出来ない)。

市長は、「二人は友人だ」と議会で説明していた。
友人に裏切られたのか?
いずれにせよ、市長が議員に対して「金は受け取っていない」と明言したし、後援会内部の話ならば市政とは直接は関係ない。
ということで、議会での追及はひとまず終わった。

この件に関しては、先日やめた新井副市長が公用車で静岡まで行き、後始末をした事も問題視された。
これは、新井氏自身みとめている。
なぜ、新井副市長は静岡まで行く必要があったのか?

1.250万円を後援会の人に渡したのに政治資金収支報告書に掲載されていなかった。
2.ので、不信に思い返金を要求した。

その金がどこに行ったかはともかく、後援会として受領し領収書も渡してあるのは事実。
迷惑をかけた、ということで、

3.後援会の幾人かで金を出し合い、献金した人に250万円を送金。
4.領収書を返して貰うため、後援会が新井氏に事後処理を頼む
5.新井氏が副市長公用車で静岡まで行き、領収書を返して貰った

という説明だ。
副市長とは、こういう事もするのか、大変なことだ。同情するが、公用車で行くのは「公私混同」という事になる。
ただ、許されないことではあろうが「ごめんなさい」して経費を弁済すれば済む問題かも知れない。

それより、副市長が市長の後援会の金銭トラブルの後始末をおこない、それを市長が知らない、というがホントか?
副市長が市長自身の後援会の問題処理のため、市長に黙って役所を留守にする、ということがあり得るか?
私には、後援会が副市長に自分達の問題の後始末を頼む、とは考えにくい。市長が頼んだのではないのか?
あと、私の感覚では、後援会の問題ならば副市長には頼まず、後援会長が行かなくても事務局長級、あるいはそれこそ市長の親族とかが後始末をするのでは?と思うのだが。

まあ、新井氏が困っている市長を見て意気に感じ、後始末を買って出たのかもしれない。
それはよい。だが。
副市長が(市長の)後援会に頼まれて静岡に行ったのは私は知らなかった
という海老根市長の説明は、いかにも苦しくないか?

この件は、公用車の私的利用云々以前に、
「市長と後援会が金銭で揉め、副市長が後始末」
という図式であり、一体全体何をやっているんだ、という話である。

 新聞報道を受け、急遽本会議開会前に、こうした説明及び質疑が、展開された。
昨日は、 与党最大会派の団長から「二期目もガンバレ。抱負は?」みたいな質問がされ、
 それに対して市長が「出馬表明」をする
予定だった。
 しかし、再会された本会議での一般質問では、騒動をうけて出馬表明は控えられた。一体、何のための質問だったのか?は聞いていた皆の感想だろう。
藤沢市政は末期症状だ。