善行土地問題 土地評価額の問題点

2011.12.16更新  [議会 ,100条委員会]

2008年12月15日 

不動産鑑定評価 当該土地価格1億1198万円

柳田解説
小林鑑定士は、当該土地を利用するには隣接地を使っての進入路確保が不可欠であり、隣接地所有者の協力を得なければならない、のは言うまでもないので、そのことは土地公社の職員には伝えなかった、との証言をしていた。

しかし、現実には隣地所有者の協力は得られず、進入路確保の目途が立たずに事業が止まってしまっている。この事実は、事業実施が危ぶまれることに加えて、当該土地の不動産鑑定評価の前提が成り立たない事をも意味する。

さらに、価格当時も現在も実際には進入路は存在しないが、進入路は所与の条件としている。この場合、不動産鑑定書に現実にない進入路を想定して鑑定した旨を記載しないのは、国土交通省が定める「不動産鑑定評価基準」から逸脱していないか?
「無道路地」という市場性が無い土地を鑑定する際に払うべき注意を怠っていたのではないか。

土地開発公社については、鑑定評価を依頼する際、当該土地を利用する場合に不可欠となる隣地所有者の了解及び協力は未だ得られていない旨を伝えるべきであった。

小林鑑定士は隣地所有者の協力を得ていないことを公社に確認しなかったことを悔やみ、また公社の怠慢を責めるかのような証言をしていたが、それについて公社を責めるのは酷であり、市民自治部の責任に期すべきである。

尚、緊急性については、当該土地は農地で無道路地であるので、一般的な市場では買い手が見当たらないだろう。実際、M氏は隣地のS氏に断られたのち、売却先を見つけられなかった。中島土地公社参事は民間では売れない土地と認識していたと証言しており、中島参事、鑑定士とも無道路地の売買取引は隣地所有者以外には見たことがない、と証言している。 
土地市場で買い手を見つけることが困難な土地であるのは明らかだ。


2008年12月23日
 
鈴木センター長、隣地所有者のS氏より、自身に一言も相談無く市が松本氏の土地取得することに対して強く抗議を受ける。 

S氏は、当該土地の進入路の入り口を封鎖、抗議の意を行動で示す。

 
柳田解説
※当該土地は単独で利用できないのは明らかなのにも関わらず、事前にS氏に相談しなかったのは小林鑑定士が指摘するとおり、不可解である。
利用する際に最も重視しなければならない隣接地所有者に断りも無く土地を取得し、信頼関係を失ったことは当該土地利用にとって致命的である。

※あるいは、相談できない事情があったのかも知れず、本件土地取得の不透明さが浮き彫りになっている。

 

柳田解説
S氏が立腹し、当該土地への進入路を塞いだ件について考えて見たい。
仮に当該土地を利用した市民農園開設が善行地区自治連の総意であったならば、S氏はそのような挙に出たであろうか?地域活動を積極的に担っているS氏ならば、地域住民の声に応えるはずである。


当該土地に市民農園設置を求める声は陳情提出から3年経っても全く聞こえてこないことを見ても、本件の土地取得が地元の総意ではない事を裏付けている。当該土地の早期利用を求める声も聞かれない。
本件土地取得は誰のためのものだったのか?S氏が市行政に対して不満を持つのも当然であろう。

 

008年12月24日
土地開発公社、取得に向けた最終手続きとなる「土地価格基準決定会議」を開催

 

柳田解説
この会議では、無道路地であることに対する疑義は呈されていたが、進入路の確保、すなわち隣地所有者の理解を得ているのか?という指摘はされなかった。
つまり「当該土地の不動産鑑定の前提」が「成り立っていない」ことは見逃された訳だ。

そして、不動産鑑定評価額を追認する形で了承された。


小林鑑定士は、「自分も会議に参加して意見を述べたかった」旨の証言をしているが、取得自体の是非および価格について再考する最後の機会を失った、わけだ。


2009年1月7日 売買契約締結
※これをもって、本件土地取得は終了。

この後、市は、隣地所有者の理解を得るために、数億円規模の道路築造を検討したり、公社所有の土地と隣地との交換を検討したりしていた。
ある意味、涙ぐましい努力だが、そうこうするうちに本件が問題化し、ウヤムヤになってしまった。
このように一連の経緯を見ていると、いかに場当たり的に土地取得が行われたかがご理解頂けると思う。